和訳と解釈 A Light In the Black

2つの曲が収録されたアルバム「Rising」の時代より。左からジミー・ベイン(ベース)、コージー・パウエル(ドラム)、ロニー(ヴォーカル)。
Can't forget his face
What a lonely place
Has he really let us go?
彼の顔が忘れられない
なんて孤独な場所なんだ
本当に放り出されたのか?
All the time that's lost
What's the final cost
Will I really get away?
失われたすべての時に
最後にどんな代償が必要なのだろう
本当に去るのか?
All my life it seems
Just a crazy dream
Reaching for somebody's star
私の人生は全て
狂った夢のようだ
誰かの星に手を伸ばす
Can't believe it all
Did he really fall
What to do now I don't know
Something's called me back
There's a light in the black
Am I ready to go?
I'm coming home
全てを信じられはしない
実際に彼は墜ちたのか
今するべきことが分からない
何かが私を呼び戻した
暗黒に光が見える
もう行っていいころか?
いま帰るところ
Breathed the air before
Heard the thunder roar
Never knew it was for me
前は空気を吸い
雷の音を聞いた
自分のためのものと知らずに
Always looking down
Lost and never found
Eyes that look but not to see
いつも下を見て
失くしたまま見つからない
見ていても盲目なんだ
All my life it seems
Just a crazy dream
Reaching for somebody's star
私の人生は
いつも狂った夢のようだ
誰かの星に手を伸ばす
Like an open door※
That you've passed before
But you've never had the key
Something's calling me back
There's a light in the black
Am I ready to go?
ドアは開いているかのように
あなたはかつて去った
でも鍵は決して持たなかった
何かが私を呼び戻す
暗黒に光が見える
もう行っていいころかな?
※open doorには門戸開放/機会均等という意味もあり
I'm coming home, I'm coming home
I'm going back to my home
I'm going home, home, home
Going home, home, home
I'm coming back
家に帰るんだ
今帰るところ
家に帰るんだ
帰るんだ
今戻っている
Don't forget his face
What a lonely place
Did he really let us go
あの顔が忘れられない
なんて孤独な場所なんだ
本当に放り出されたのか?
All the time that's lost
What's the final cost
Will I really get away?
失われたすべての時に
最後にどんな代償が必要なのだろう
本当に去るのか?
All my life it seems
Just a crazy dream
Reaching for somebody's star
私の人生は
すべて狂った夢のようだ
誰かの星に手を伸ばす
Can't believe it all
Did he really fall
What to do now, well I don't know
Something's calling me back
Like a light in the black
Yes, I'm ready to go
I'm coming home, home
I've got my way back home
To the sky
There in the sky
I see your star
全てを信じられはしない
実際に彼は墜ちたのか
今するべきことが分からない
何かが私を呼び戻した
暗黒の光のように
よし、もう出発しよう
帰るんだ
この道を行くよ
空に向かって
空にあるんだ
あなたの星が
この曲は実質的に、「Stargazer」の後日談を語るものとなっています。「Stargazer」では、地上で大きな支配権を持っていた魔術師が空を飛ぼうとして失敗したことを、その支配下にあった1人が語る――という設定になっていました。あとに残された者の幻滅・不安・悲嘆などが語られた後、「coming home」=家に帰ろう、という言葉で終わっていました。そのキーワードはA Light In the Blackにおいても引き続き出てきます。
これは単に家に帰るという意味ではなく、人間として本来あるべき場所へ戻ろうという、もっと根本的な意味を持っていると管理人は考えています。
「Stargazer」は「魂の立ち直り」の歌であると書きましたが、こちらの歌ではその過程をさらにはっきりと歌っています。
Can't forget his face
What a lonely place
Has he really let us go?
彼の顔が忘れられない
なんて孤独な場所なんだ
本当に放り出されたのか?
この最初の部分では、まだ魔術師の影響を脱し切れていないことを示唆しています。
All the time that's lost
What's the final cost
Will I really get away?
失われたすべての時に
最後にどんな代償が必要なのだろう
本当に去るのか?
All my life it seems
Just a crazy dream
Reaching for somebody's star
私の人生は全て
狂った夢のようだ
誰かの星に手を伸ばす
次第に自分自身の過去と現在の状況を冷静に見るようになっています。魔術師を崇拝していた時は「失われた」ものであり、自分の人生は「狂った夢のようだ」という認識が始まっていますね。
「reach for the stars」には「チャンスをつかむ」と「無理なものを得ようとする」の双方の意味があり、ここではどちらの意味でも通りそうです。
Can't believe it all
Did he really fall
What to do now I don't know
Something's called me back
There's a light in the black
Am I ready to go?
I'm coming home
全てを信じられはしない
実際に彼は墜ちたのか
今するべきことが分からない
何かが私を呼び戻した
暗黒に光が見える
もう行っていいころか?
いま帰るところ
葛藤から、目を覚ますきっかけを見つけます。自分を呼び戻した「何か」とは理性が元に戻ったことか、もっと言えば洗脳が解け始める瞬間かもしれません。
Breathed the air before
Heard the thunder roar
Never knew it was for me
前は空気を吸い
雷の音を聞いた
自分のためのものと知らずに
自然現象はすべての人間に平等にあるのに、それもあの魔術師のためのものだと思っていた。
何かに洗脳されているときは、すべてをそれに結び付けて考えてしまいますね。そういう心理を表した部分だと思います。
Always looking down
Lost and never found
Eyes that look but not to see
いつも下を見て
失くしたまま見つからなかった
見ていても盲目なんだ
この部分も前の部分と同じ。魔術師に心酔していて周囲の見えなかった状態を表しているのでしょう。
All my life it seems
Just a crazy dream
Reaching for somebody's star
私の人生は
いつも狂った夢のようだ
誰かの星に手を伸ばす
Like an open door※
That you've passed before
But you've never had the key
Something's calling me back
There's a light in the black
Am I ready to go?
ドアは開いているかのように
あなたはかつて去った
でも鍵は決して持たなかった
何かが私を呼び戻す
暗黒に光が見える
もう行っていいころかな?
※open doorには門戸開放/機会均等という意味もあり
失墜した魔術師に呼び掛けています。すでに彼が偉大な存在ではないことを見抜いているようです。「鍵を持たない」とは無謀さ・愚かさを象徴する言葉でしょう。Black Sabbath時代の曲「Children Of the Sea」にも、「Throw away and rocked the door (鍵を投げ捨て、錠を閉ざした)」というフレーズがあり、人間が犯してしまった取り返しのつかない愚行を示唆しています。
I'm coming home, I'm coming home
I'm going back to my home
I'm going home, home, home
Going home, home, home
I'm coming back
家に帰るんだ
今帰るところ
家に帰るんだ
帰るんだ
今戻っている
「帰る」ことを力強く強調しています。
そして最後はこの言葉で結ばれます。
Yes, I'm ready to go
I'm coming home, home
I've got my way back home
To the sky
There in the sky
I see your star
よし、もう出発しよう
帰るんだ
この道を行くよ
空に向かって
空にあるんだ
あなたの星が
自分の試みに失敗した「Stargazer」=星を見る者は死んだが、生き残った語り手は彼の見る(はず)だった星を見出します。
間違った教えを説く者がいなくなったあと、その支配下にあった者が独力で‟教祖”の見られなかったものを見てしまう、というのはなかなかの皮肉でもあり、人間が自分1人の力で立ち直っていく力強い歌だともいえるでしょう。
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