メンバー列伝 コージー・パウエル
「三頭政治」の一角を担った伝説の渡り鳥ドラマー


出典:ともに//www.drummerworld.com/index.html
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1947年12月29日イングランドのブリストル生まれ。本名Colin FlooksあるいはColin Trevor Flooks。養父母に育てられ、生みの親は知らなかった。12歳で学校のオーケストラでドラムを始める。芸名の「コージー」はジャズドラマーのコージー・コールから拝借したもの。
最初のバンドはCoralsという名前で、この時代に連続演奏の世界記録を打ち立てている。ほか60年代にはThe Sorcerersなどで活動。
1970年、 Isle of Wight Festival 1970で トニー・ジョー・ホワイトと共演中にジェフ・ベックに出会い、ジェフ・ベック・グループに加入。アルバムRough and Ready(71)とJeff Beck Group(72)をリリースした。なおこのバンドの最初のアルバムは完成せず、いまだにリリースされていない。
ジェフ・ベック・グループ解散後、ハーヴェイ・アンドリュースのアルバムに参加したり、以前にもバンドを組んでいたボール兄弟とのバンドBedlamで活動したりした。さらにソロ名義のシングルDance with the Devilが英国ヒットチャート3位となる。その後Bedlamは解散し、1974年に Cozy Powell's Hammerを結成。この時のメンバーはバーニー・マースデン(ギター)、クライブ・チェイマン(ベース)、ドン・エイリー(キーボード)、Bedlam時代のフランク・アイエロ(ヴォーカル)。クライブは第2期ジェフ・ベック・グループでの仲間で、75年にニール・マーレイに交替した。バーニー・マースデン、ドン・エイリー、ニール・マーレイはこの後数多くのハードロック/ヘヴィメタルバンドに在籍することになる。
この頃いったんカーレースに集中するが、1975年にリッチー・ブラックモアに見いだされてRainbow加入。Rainbow Rising(76)、Long Live Rock'n'Roll(78)、Down to Earth(80)の3枚のスタジオアルバムに貢献した。ちなみに、コージーはこのバンドに5年にわたって在籍した唯一のメンバーだという。
Down to Earthでのポップ化が進んだ音楽性が感性に合わず、80年8月にRainbow脱退。しかし同アルバム1枚で脱退したヴォーカルのグラハム・ボネットのバンドGraham Bonnet & The Hooligansに参加し、81年にシングルNight Gamesを発表。英国トップ10となった。
80年代には Michael Schenker Group 、Whitesnake 、 Emerson, Lake & Powellに次々と在籍し、さらにForcefieldというスーパーグループにも短期間参加した。これはグラハム(のちにトニー・マーティン)、元Ian Gillan Bandのレイ・フェンウィック、元Focusのヤン・アッカーマン、前述のニール・マーレイ(のちにローレンス・コットル)がメンバーであった。
88年にはゲイリー・ムーアと組み、同年から91年、94年~95年にはBlack Sabbathに在籍した。コージーがいた時代のBlack Sabbathで歌っていたのは前述のトニー・マーティンである。またマーティン時代のサバスにはニール・マーレイとローレンス・コットルも関わっている。
なお、91年にロニー・ジェイムス・ディオがBlack Sabbathに復帰した際、当初のドラムはコージーの予定だった。しかし落馬事故での怪我がもとで離脱、ヴィニー・アピスが戻った。
90年代にはニール・マーレイとともにBrian May Bandで Back to the Light(92) とAnother World (98)の2枚のアルバムに参加、イングヴェイ・マルムスティーンともFacing the Animal(97)で共演した。
98年4月5日、高速道路を移動中に事故死。享年50歳。
日本では特にロニー・ジェイムス・ディオ時代のRainbowの評価が高く、リッチー、ロニー、コージーと合わせて「三頭政治」と呼ばれた。それだけにこのメンバーでの再結成を望む声は強く、90年代後半には実際にロニーが再結成に向けて動いていた。しかし実現しないままコージーが他界、ロニーも2010年に世を去った。
(ロニーの証言によると、Rainbow再結成への道は全て整っていたがリッチー側のマネージメントに断られたとのこと。ロニーは「今後の鍵はコージーが握っている」と語ったが、その直後にコージーは事故死した)
2019年、日本の岡山市にファンが私設のコージー・パウエル博物館を開設。(産経新聞のこちらの記事参照)
ロニーとの共演作:Rainbow Rising、Long Live Rock'n'Roll
●ソロアルバム
Over The Top (1979)
Tilt (1981)
Octopuss (1983)
The Drums Are Back (1992)
Especially For You/Cozy Powell(1998、日本でのみ発売)
●参加したバンド(セッションを除く)
The Sorcerers (1967–1968)
Youngblood (1968–1969)
The Ace Kefford Stand (1969)
Big Bertha (1969–1970)
The Jeff Beck Group (1970–1972)
Bedlam (1972–1973)
Cozy Powell's Hammer (1974, 1992-1993)
Rainbow (1975–1980)
Graham Bonnet & the Hooligans (1980–1981)
Michael Schenker Group (1980–1982)
Whitesnake (1982–1985)
Emerson, Lake & Powell (1985–1986)
Pete York/Cozy Powell (1987)
Black Sabbath (1988–1991, 1994–1995)
The Brian May Band (1991–1992, 1993–1994, 1998)
Peter Green Splinter Group (1997-1998)
Tipton, Entwistle and Powell (1997)
Yngwie Malmsteen (1997)
The Snakes (1998)
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