Egypt (The Chains Are On) （DIO）

In the land of the lost horizon
Where the queen lies dark and cold
And when the stars won't shine
Then the story's told

失われた地平線の国で
暗く冷たい臥所に女王が横たわる
星々がきらめかない時
その物語は語られる



When the world was milk and honey
And the magic was strong and true
Then the strange ones came
And the people knew
That the chains were on
That the chains were on

世界が乳と蜜に満ちていた時
魔法は強く本物だった
そこに見知らぬものが来て
人々は知った
鎖につながれていると
鎖につながれていると



My, my, my
In the land of no tomorrow
Where you pray just to end each day
And your life just slowly melts away

おや、なんてことだろう
明日なき国で
お前はただ毎日を終わらせるために祈り
その人生はただゆっくり溶け去っていくだけ



Each day you hear the sand
As it moves and whispers
Come and sail on my golden sea
Maybe one day you'll be just like me
And that's free but still
Your chains are on
Yes, your chains are on
Still, your chains are on

毎日お前は砂の音を聞く
動きささやく音を
この黄金の海に船出しないか
いつかお前は私のようになる
それは自由だが
まだお前の鎖ははまっている
そう、お前は鎖につながれている
まだ鎖につながれている



You've seen them walking on the water
You've seen them flying through the sky
They were frightening in the darkness
They had rainbows in their eyes

お前は彼らが水の上を歩くのを見てきた
空を飛ぶのも
彼らは暗闇の中の驚異
その目に虹を浮かべて



When the world was milk and honey
And the magic was strong and true
Then the strange ones came
And the people knew
That the chains were on
That the chains were on
That the chains were on
That the chains were on
Oh my, the chains were on

世界が乳と蜜に満ちていたころ
魔法は本物で強大だった
だが奇妙な者がやってきて
人々は知った
鎖につながれていると
鎖につながれていると
鎖につながれていると
鎖につながれていると
なんということだ　



In the land of the lost horizon
Where the chains are on
In the land of milk and honey
Still, the chains are on
Where the queen lies dark and lonely
Still, her chains are on
And the world was new and magic
But the chains are on

失われた地平線の国で
鎖ははまったままま
乳と蜜の国で
まだ鎖につながれている
暗く冷たい臥所に女王が横たわる国で
彼女の鎖はまだ解かれない
世界は新しく神秘に満ちて
でも鎖は解かれない



The chains were on, the chains were on
Yeah, the chains were on
The chains were on, the chains were on

鎖はついたまま
鎖はついたまま



Seen them walking on the water
The chains were on
Seen them flying through the sky
My, the chains were on
They were frightening in the darkness
Yes, the chains were on
They had rainbows in their eyes
The chains were on

彼らが水の上を歩くのを見てきた
鎖につながれて
彼らが空を飛ぶのも見た
鎖につながれて
彼らは暗闇の中の驚異
そう、鎖につながれて
彼らの瞳には虹があった
鎖は解かれない

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queen･･･クレオパトラとかを想定しているのかも。ただ有名なピラミッドってクレオパトラの時代じゃなかったような。
具体的なエジプトというより神話や聖書のエジプト、もっと言えばロニーの心の中の神話を舞台にしているように思えます。


When the world was milk and honey（世界が乳と蜜に満ちていた時）・・・「乳と蜜の国」とはカナンの地のことで、地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯を指します。
ただ、エジプトはカナンの地を目指してイスラエル人が抜け出した方の土地なので、ここの「乳と蜜の国」は中東の世界に対する西洋の一般的なイメージと言っていいでしょう。十字軍もそんな豊かな東方世界を夢見て遠征したとか。

That the chains were on（鎖につながれている）・・・ピラミッド建設の奴隷を思わせます。古代のイスラエル人もエジプトで奴隷として働かされており、そこからモーセ率いる出エジプトとなります。



Where you pray just to end each day
And your life just slowly melts away
お前はただ毎日を終わらせるために祈り
その人生はただゆっくり溶け去っていくだけ･･･奴隷の日々を表しているっぽい。




You've seen them walking on the water
You've seen them flying through the sky
They were frightening in the darkness
They had rainbows in their eyes

お前は彼らが水の上を歩くのを見てきた
空を飛ぶのも
彼らは暗闇の中の驚異
その目に虹を浮かべて

「水の上を歩く」というフレーズはロニーの曲に何度か出てきます。89年のLock up the Wolvesにもその名の通りWalk on Waterという曲がありました。
これはキリストがなした奇跡の1つであり、ここでは「空を飛ぶ」ととも不可能なことを可能にできる人々として、鎖につながれている奴隷たちとは対照的に描かれています。




When the world was milk and honey
And the magic was strong and true
Then the strange ones came
And the people knew
That the chains were on

世界が乳と蜜に満ちていたころ
魔法は本物で強大だった
だが奇妙な者がやってきて
人々は知った
鎖につながれていると

「乳と蜜」は前に出てきたのと同じ。
おそらく、ここに出てくる人々は自分たちの置かれている状況が分かっていませんでした。それゆえに魔法が本物だと信じていられたのです。しかし途中で何者か、現実を知らせる者が現れたのでしょう。




あとはほぼ同じ内容ですが、

And the world was new and magic
But the chains are on
世界は新しく神秘に満ちて
でも鎖は解かれない

とあるとおり、世界が変わっても奴隷たちの現状は同じであるのかもしれません。ここだけ特に憂鬱ですね。



『情念のロック・シンガー　ロニー・ジェイムズ・ディオ』の復刻インタビューに、この曲についてのロニーの言葉が出ていました。
↓↓↓
「Egypt」という歌に「The Chains Are On」という但し書きが付いているのは、この曲がピラミッドに象徴される土とか黄金、映画といったものではなくて、ピラミッドを造るために何十年、何百年と汗を流して働いた人々のことを歌っているからだ。彼らは鎖を嵌められ、朝夕なしに働いたけど、当時も今も誰からも顧みられることもない。力のない人間、無力な人間のことは誰も書こうとしないけど、僕はそういう人々のことも歌いたいんだ。以前も「Stargazer」でも同じような立場の人々を歌ったことがあるのを覚えている人もいると思うけど･･･


ロニーは人間についてずっと考えてきた人だと思うけど、虐げられた人々もその中の重要なテーマだったようです。子どもの虐待についても何度も歌っていますし。






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