Fear (Heaven&Hell)
前々回のDIOYearsに続き、今回はそこから生まれたスタジオ盤の曲を取り上げます。
Heaven&HellよりFear!

Fear by Heaven&Hell
※翻訳は管理人によるものです
If you've never heard before
There was once a time when only God had fire
The moon and stars and nothing more
To lead you through the night
聞いたことがないかもしれないが
かつて神だけが火を持っていた
月と星のほかは
夜、お前を導くものはなにもなかった
If there's a Hell and Satan had a daughter
He must have sent her here to hide the flame
We're still afraid, must be he taught her so well
We've seen the light, so why's it all the same
地獄とサタンが娘を持っていたら
きっと炎を隠すために使わしただろう
我々はまだ恐れている、やつは娘にうまく言ったのだろう
光を見たのになぜ何も変わらないのか
Superstition, go away
We wear the mark
Fear
迷信、消え去れ
俺たちは刻印を負う
恐怖
There's a corner of the mind
With a door that always opens up at sundown
And what's inside is to remind you
To hide from eyes that shine
心には曲がり角
いつも日没に開くドアとともに
その中にあるのは
お前に光る目から逃げることを思い出させるもの
We ran until we found we had the power
Illuminate the world and make it burn
We're still afraid, must be that door in your brain
You've seen some light and you pray it will return
自分たちは力を持っていると知るまで逃げ続けた
世界を照らし燃やす力
俺たちはまだ恐れている、頭にきっとまだドアがあるだろう
見てきた光が戻るようにお前は祈る
Superstition, go away
We wear the mark
Fear
迷信、消え去れ
俺たちは刻印を負っている
恐怖
If there's a Hell and Satan sent his daughter
She must have gotten lost and can't go home
We're still afraid and he can't find her again
We've seen some light, but it will always be the same
もし地獄とサタンが娘を送りだしたら
彼女は道に迷って戻れなくなるだろう
我々はまだ恐れ、奴は娘を見つけられない
いくらかの光は見たが、いつも同じだ
Evolution, go away
We still share the mark
Fear
進化、消え去れ
俺たちは刻印を分け合う
恐怖
この曲のテーマはロニー自身が語っているのを読んだことがあります。
人間にとっての根源的な恐怖は暗闇だ、というのがそれ。
暗闇を照らす火や灯りは人間だけが持っているものであり、古来から英知の象徴でした。
火は人間と他の動物を分かつものなのです。
気になる部分を考察していきます。
If you've never heard before
There was once a time when only God had fire
The moon and stars and nothing more
To lead you through the night
聞いたことがないかもしれないが
かつて神だけが火を持っていた
月と星のほかは
夜、お前を導くものはなにもなかった
まだ火を持っていない時代の人間です。
ギリシア神話では人間を作った神プロメテウスが大神ゼウスの目を盗んで人間に火を与えたと言われています。
If there's a Hell and Satan had a daughter
He must have sent her here to hide the flame
We're still afraid, must be he taught her so well
We've seen the light, so why's it all the same
地獄とサタンが娘を持っていたら
きっと炎を隠すために使わしただろう
我々はまだ恐れている、やつは娘にうまく言ったのだろう
光を見たのになぜ何も変わらないのか
地獄が擬人化されていますが、サタンとの間に子を作ったという話は少なくとも管理人は聞いたことがありません。なのでおそらくバンドの創作じゃないかな・・・
ミルトンの『失楽園』ではサタンの娘は「罪」ですが、彼女はサタンの頭から自分で生まれたことになっているし。
火を手に入れたのちも人間はまだ闇を恐れている、という内容が出てくる部分です。
ただ、聖書の世界だと原罪以前には闇を恐れる必要がなかったので、ここではギリシア神話的なストーリーと聖書、さらに進化論の世界観が混然一体となっているようで。
Superstition, go away
We wear the mark
Fear
迷信、消え去れ
俺たちは刻印を負う
恐怖
闇の恐怖はいろいろな想像上の怪物を生み出してきました。出現するのってたいてい夜ですよね。
「刻印」はその根源的な恐怖のこと。
聖書的な‟原罪”の烙印の意味も入っていそうです。
There's a corner of the mind
With a door that always opens up at sundown
And what's inside is to remind you
To hide from eyes that shine
心には曲がり角
いつも日没に開くドアとともに
その中にあるのは
お前に光る目から逃げることを思い出させるもの
日が沈むと闇への恐怖がまた頭をもたげてきます。「ドア」はそんなシンボルでしょう。
If there's a Hell and Satan sent his daughter
She must have gotten lost and can't go home
We're still afraid and he can't find her again
We've seen some light, but it will always be the same
もし地獄とサタンが娘を送りだしたら
彼女は道に迷って戻れなくなるだろう
我々はまだ恐れ、奴は娘を見つけられない
いくらかの光は見たが、いつも同じだ
この視点はけっこう面白くて。
人間が火を見出したからサタンの娘が夜道で迷って帰れなくなるというんですね。
彼らにとっての光は人間にとっての闇と同じなのかもしれません。
そして人間も闇を照らす手段を手に入れてなお、闇を恐れています。
この点で人間もサタンも同格、同じ恐怖に憑りつかれてしまっています。
Evolution, go away
We still share the mark
Fear
進化、消え去れ
俺たちは刻印を分け合う
恐怖
人類がいくら進化しても闇への恐怖は変わりません。
そして闇を克服しようとすることで人間は人間になれた。「刻印を分け合う」の部分には運命共同体のような意識が垣間見えます。そこまで深い意味があるかどうかは分かりませんが・・・。
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