Living the Lie (DIO)


ロニーが最晩年までとりかかっていた曲群が日の目を見るかもしれない―というニュースをちょっと前に紹介しましたが、どうなるんでしょうね。
クレイグもダグも「一緒に作業していた」と証言しているので、ことによったら1枚のアルバムで両方のギターが聴ける・・・なんて贅沢な体験ができるかも。
否が応でも期待は高まるので、これであの後どうなった?みたいな話になったら怒るでワシは。
さて、今回は2004年のアルバムMaster of the Moonより、Living the Lieをお届けいたします。

このころのDIOメンバー。左から2人目のルディ・サーゾはMaster of the Moonツアーからの登場です。
Living the Lie by DIO
※翻訳は管理人によるものです
When a milion miles from no where
Is still too close to home※
You're with a hundred thousand people
And you still feel all alone
たとえ100マイル離れていても
近すぎる話だ
お前は100000人と一緒にいても
いつも1人だと感じている
She was never in the circle
Or the round would be a square
And the more she seemed to want it
The less they seemed to care
彼女は1度として輪に入ったことがない
つまらないんだろう
そして望めば望むほど
彼女は目を向けられないようだ
Sold out and no admission
Too late to buy
It's never who it's only why
She's living the lie
売り切れで入場は禁止
チケットを買うには遅すぎる
誰がじゃない、何故かだ
彼女は偽りに生きている
When you're on your way to somewhere
But the elevator falls
Do you look for stairs to heaven
Or wander through the halls
お前がどこかへ行く途中でも
エレベーターは落ちてしまう
天国への階段を見ているのか
それともホールをさまよっているのか
He was only dedicated
To the ones who make the law
But they burned with too much fire
And his heart was made of straw
法を作る者たちのために
彼はただ1人捧げられた
でも奴らは燃やし過ぎ
彼の心臓は藁でできていた
No ticket - no admission
Too late to buy
It's always he and he knows why
He's living the lie
チケットはなく入場禁止
買うには遅すぎる
いつも彼だ、奴は理由を知っている
彼は偽りに生きている
Break down
How bad do you want it
How far will you go
壊してしまえ
なんて悪い望みを持ったんだ
どんなにお前は遠くに行ってしまうだろう
If you're looking at tomorrow
To forget about today
Then the past will be your future
And it's there you'll always stay
お前が今日を忘れるために
明日を見ても
過去は未来になり
いつもお前のいるところにいる
What about the pictures
That smile from magazines
The ultimate temptation
Our new kings and all our queens
写真はどうだい
雑誌に出てくる微笑み
誘惑の最終形態
我々の新しい王と全ての王妃の
Such heat and too much pressure
Not worth the try
No more for them
Now it's I
And no more living the lie
Living the lie
Oh why
Live the lie
炎熱とあまりの重圧
挑む価値もない
もう奴らのためではない
今は俺さ
もう偽りに生きるな
偽りに生きるな
何故なんだ
嘘を生きる
ロニーによると、この歌はタイトルの通り「事実を直視せず、正しいことをやらず、同じ嘘を繰り返して、大丈夫だと思っている人物の」曲だそうです。
管理人が真っ先に思い出したのはKilling the Dragonに入っていたScreamという曲ですねえ・・・
あちらではセレブな世界に生きている人々の隠された一面をうたっていました。
みんな華やかな外の世界から帰ってきたら、普通の人と同じように叫びたい―そんな内容でした。
このLiving the Lieも同じようなテーマなんでしょうか。
When a milion miles from no where
Is still too close to home
You're with a hundred thousand people
And you still feel all alone
たとえ100マイル離れていても
近すぎる話だ
お前は100000人と一緒にいても
いつも1人だと感じている
too close to homeにはほかの単語と一緒に使って「痛いところを突く」「身につまされる」「生々しすぎる」などの意があるので、どこに行っても孤独から逃れられないということでしょう。
She was never in the circle
Or the round would be a square
And the more she seemed to want it
The less they seemed to care
彼女は1度として輪に入ったことがない
つまらないのだろう
そして望めば望むほど
彼女は目を向けられないようだ
最初に出てきた「お前」とこの女性はたぶん同じ。
「輪」は人の輪でしょうけど、squareにはつまらない・保守的ななどの意味もあるので、ここでもやはり人の間に入れない孤独な誰かの姿が見てきます。
Sold out and no admission
Too late to buy
It's never who it's only why
She's living the lie
売り切れで入場は禁止
チケットを買うには遅すぎる
誰がじゃない、何故かだ
彼女は偽りに生きている
これまた何らかの集団に入っていけないイメージです。
しかしチケットを買って入るような世界はどちらかというと華やかな、つまり「偽りの世界」として糾弾されそうな世界に属しているようなので、もしかしたらもっと象徴的な、他の人間とのリアルなつながりを得られる体験そのものの比喩なのかもしれません。
(そしてそれはショーのような世界とは限りません)
When you're on your way to somewhere
But the elevator falls
Do you look for stairs to heaven
Or wander through the halls
お前がどこかへ行く途中でも
エレベーターは落ちてしまう
天国への階段を見ているのか
それともホールをさまよっているのか
エレベーターが落ちるというと、ついDIOのThe Last in Lineのミュージックビデオを思い出してしまいますね~。
あれは普通の生活をしていたらいきなりエレベーターが落ちて、その先には地下の異世界が広がっていました。
The Last in Lineについては前に取り上げたのでこちらの記事をどうぞ!
ホールをさまよっているということは行き先がないか、もしくは行く方法がないのでしょう。
He was only dedicated
To the ones who make the law
But they burned with too much fire
And his heart was made of straw
法を作る者たちのために
彼はただ1人捧げられた
でも奴らは燃やし過ぎ
彼の心臓は藁でできていた
ここは何やら異端審問のような雰囲気があります。
Master of the Moonの1曲目One More for the Roadでは、いいかげんな理由で死刑にされる人々を歌っていました。
Killing the Dragon収録の曲・Rock&Rollでも、同時多発テロ直後のアメリカで作られた「放送自粛曲リスト」への怒りを表明していましたし、わりとこういう魔女裁判ぽいものへのプロテストはロニーにあったのかな。
まあ危険だの悪魔崇拝だのさんざん言われてきたメタル畑の人ですからねえ・・・
No ticket - no admission
Too late to buy
It's always he and he knows why
He's living the lie
チケットはなく入場禁止
買うには遅すぎる
いつも彼だ、奴は理由を知っている
彼は偽りに生きている
女性だったのがここでは男性になりました。
自分自身のせいで本当の人生を生きられず、そのことに自分で気づいている、そんな人でしょうか。
Break down
How bad do you want it
How far will you go
壊してしまえ
なんて悪い望みを持ったんだ
どんなにお前は遠くに行ってしまうだろう
望みって、どんな望みを持ったのでしょう。
ここからだと分かりません。
前の部分を読む限り、誰かと心の底からつながりたい(本当の生を生きたい)という望みはおそらく持っているはずで、それは悪いものではないはずなのですが。
If you're looking at tomorrow
To forget about today
Then the past will be your future
And it's there you'll always stay
お前が今日を忘れるために
明日を見ても
過去は未来になり
いつもお前のいるところにいる
孤独な現状がずっと続くんでしょうね。
What about the pictures
That smile from magazines
The ultimate temptation
Our new kings and all our queens
写真はどうだい
雑誌に出てくる微笑み
誘惑の最終形態
我々の新しい王と全ての王妃の
アイドルやスターのにっこり笑っている写真は、偽りの豊かさや幸せのシンボルとしてはよくありそうです。
kings and queensと聞くとBlack Sabbath時代のHeaven and Hellを思い出すなー。
あの曲ではおそらく、権威や輝きで人の目をくらますものとして王・王妃というフレーズが出てきていました。
Such heat and too much pressure
Not worth the try
No more for them
Now it's I
And no more living the lie
Living the lie
Oh why
Live the lie
炎熱とあまりの重圧
挑む価値もない
もう奴らのためではない
今は俺さ
もう偽りに生きるな
偽りに生きるな
何故なんだ
嘘を生きる
特に解読する必要もなさそうなので省略。
一見して豊かな、あるいは華やかな世界が実は嘘で塗り固められたもので、そこにいる人々もその空虚さをうすうす自覚している、というのは昔からよくある批判です。今でもちょっとニュースを見れば似たような言説が次々出てきます。
映画監督のパゾリーニも『テオレマ』で現代のブルジョワ(これもレトロな言葉だよねえ)を批判していました。
つまり彼らは本当の人生を生きていない、ということらしい。
しかし、ロニーがそんな単純明快な判断で曲を作るだろうか?という疑問も。
セレブだろうと貧乏だろうと嘘で固めた人生を送っている人はいくらでもいるだろうから・・・
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