The Eyes (DIO)


こんにちは。
コロナの影響で不要の外出禁止令が発動されているけど、気が付けば普段から外に出ていない管理人です。
今回も後期作品4枚から1曲ご紹介します!
これね、発売が3月20日に伸びたんでこのまま後期4枚シリーズで行っちゃおうと思いまして。
もうしばしお付き合いくださいな。

今回は2004年のアルバムMaster of the Moonより、The Eyesです。
The Eyes by DIO
※翻訳は管理人によるものです
Oh no, they're at it again, looking inside my secrets
Coming through cracks before I mend the wall
Get out cause you're breaking the law
How did you ever find me?
Places where I can hide can't get much smaller
I have invisible dreams where no one can touch me
Maybe I'll find a way to disappear
何てことだ、また奴らだ 俺の秘密を覗いている
壁を直す前にひびが入ってしまう
出ていけ、お前は法を犯しているんだ
どうやって俺を見つけた?
これ以上ないほど小さくなって隠れているのに
俺は誰にも触れられない場所に 見えない夢を持っている
消える方法が見つかるかもしれない
No one moves and no one dies
Just the eyes
誰も動かず、誰も死なない
あの2つの目
I've run as fast as I can thinking they'll never catch me
What a waste of breath, a waste of time
Feel like digging a hole, going in even deeper
Maybe they just can't see what just can't shine
決して見つからないと思いながら、可能な限り早く走ってきた
なんという呼吸の無駄、時間の無駄
穴を掘るようだ、もっと潜ってゆく
やつらは光らないものが見えないだけかもしれない
I'll be lost so no goodbyes
If no one moves then nothing dies
Just the eyes
俺は失われるだろう だから別れもない
誰も動かなければ誰も死なない
あの2つの目
Oh no, they've done it again, sending out the detectives
Searching for signs of life and that means me
In my invisible dreams when no one is watching
I'd make the whole world blind and I'd be free
何てことだ、奴らはまたやってしまった 隠密を放っている
生命のサインを探していてそれは俺のことなんだ
誰も見ていない時、見えない夢の中では
世界中を盲目にしたから俺は自由だったのに
I'll be lost so no replies
If no one looks then no one dies
Just the eyes
Those eyes
俺は失われるから返答もない
誰も見なければ誰も死なない
あの2つの目のように
あの目のように
Magic numbers, even sacrifice
I can't find a way cause nothing stops the eyes
魔法の数字や犠牲があっても
俺は道を見つけられない
誰もあの目を止められないから
Master of the Moonの中ではBlack Sabbath寄りの音楽性でヘヴィないい曲ですけど、これまた謎の歌詞ですね。
ロニーにはよくあることなので、毎回お付き合いしている管理人はもう慣れてきましたが(笑)
また例によってロニーのインタビューを引用しましょう。「情念のロック・シンガー ロニー・ジェイムス・ディオ」(シンコーミュージック)の復刻インタビューより。
「妄想についての曲だよ。この作品は、私がこれまで作ってきたアルバムの中ではどちらかというと現実的だからね。我々は毎日そういう状態で生きている。身近なところにテロリズムなど様々な危険が潜んでいる。そしてプライバシーなどないほど、誰もが疑いの目で他の人達を見ている。この曲は、自分のプライバシーが侵されていることを心配している人物の曲だ」
インタビューがあると解読が楽だなあ(*´▽`*)
魔に追われている人間の歌か?とか、逆に語り手の方が闇に隠れている魔の存在なのかもしれないとか、管理人はいろいろ考えてしまったよ。
でも妄想についての歌だと分かれば、歌詞が一気に鮮明になってきます。
これ、読んでみると統合失調症っぽいんですよ。
統合失調症は幻覚・妄想・人格水準の低下などを主な症状とする精神疾患の1つで、100人に1人ぐらいかかるという比較的よくある病気です。
林公一先生の精神科Q&Aを読むとすごい数の症例が出てきます。
薬を正しく服用すれば症状を抑えられる病気でありながら、無治療や治療の中断で症状が悪化しているケースも残念ながら多いそうです。
で、統合失調症の人のよくある妄想に「誰かが自分の行動を24時間監視していて、こちらの行動に合わせていつも嫌がらせをしてくる」というものがあります。
その妄想は非常にリアルで、誰が何時にどんなことをしてきたか、どんな悪口を言ってきたかまで逐一(本人の頭の中では)認識できてしまうのです。
たとえばSNSを見るとその当事者と思しき人の投稿がかなりあって、写真付きで「今日は自宅の台所にあった○○が何時に盗まれました。買ったばかりの××も一緒に盗まれました。家中に監視カメラを設置しているのに壊されてデータを抜かれてしまいます。警察も病院もぐるになって自分を監視しているので行くところがありません」などと真剣に主張していたりします。
そんなことはありえないと感じるのは病気でないからであって、本人にとってはそれが紛れもない現実なんですね。
その視点で行くとThe Eyes=目とは、妄想を抱く人にとっての、自分を四六時中監視している何者かの「目」ということになります。
何てことだ、また奴らだ 俺の秘密を覗いている
壁を直す前にひびが入ってしまう
出ていけ、お前は法を犯しているんだ
どうやって俺を見つけた?
これ以上ないほど小さくなって隠れているのに
俺は誰にも触れられない場所に 見えない夢を持っている
消える方法が見つかるかもしれない
「秘密を覗いている」「どうやって俺を見つけた」=誰かが自分を監視している被害妄想。
「壁を直す前に~」=被害妄想を持っている人が現実の誰かに抗議することはあります。しかし実際には頭の中で起こっていることなので効果はありません。そんな無限ループ。
「消える方法」=自死?
これは最初の部分ですが、ここから後の部分もほぼ完ぺきに妄想の症状に当てはまってしまうような・・・
歌詞をすべて見ているときりがないのでやめておきますが、誰かに見られている/追われている/監視されている、という内容の言葉がぞくぞくと出てきますね。
おそらくロニーは誰もが誰かを疑っている社会の隠喩としてを作ったのでしょうけど、結果的には意図を越えて相当に迫力のある曲になっています。
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