Lord of the Last Day (DIO)



2020年2月に後期DIOの4作品が再発!とのニュースに合わせ、本ブログでは只今、後期作品の曲を集中的に取り上げております。
今回は2000年のアルバム・Magicaより、Lord of the Last Dayです!
Lord of the Last Day by DIO
※翻訳は管理人によるものです
I love the night
So many shadows
Unholy light
Putting out the spark
Leave them in the dark
Forever
私は夜を愛する
多くの影を
聖ならざる光
火花を吹き
彼らを闇に取り残す
永遠に
I can wait for you
Your end is my life
All lies are true
Secrets of the heart
You can take them all
To heaven
お前を待ってもいい
お前の終焉が私の命
全ての嘘は真実
心の秘密
お前は奴らをみな
天国へ連れていくことができる
I don't feel pain or sorrow
The child's a man tomorrow
Crossing the line, then he's mine
Don't care which god you follow
Whose promises you swallow
Time and again, we must meet at the end
私は痛みも嘆きもない
あの子供は明日には大人になる
境界線を越え、そうすれば彼は私のもの
どの神についていくかなど気にするな
どいつの契約を飲み込むかなど
我々は出会う運命、何度も――そして終わりの時に
It's all right
When the music is over
Come on and dance
For the lord of the last day
問題はない
音楽が終わるとき
来て踊るがいい
終焉の日の支配者のために
I love the night
So many shadows
Unholy light
Secrets of the heart
Leave them in the dark
Forever
私は夜を愛する
多くの影を
聖ならざる光
心の秘密
彼らを闇に取り残す
永遠に
Magicaは1つの物語がバックにあるコンセプトアルバムなので、この曲もそれに沿った解釈が必要ですね。
物語については以前、このアルバムからの曲Erielについて特集したときに軽く触れましたので、そちらもよろしければご参照ください。
いちおう軽く解説しますと次のようになります。
↓↓↓
マジカの書:魔法の呪文をまとめた本、聖地にある
ブレッシング:物語の舞台となった惑星。マジカの書と、その呪文を使う魔術師の力によって繁栄してきた
イーブルサイド:ブレッシングを侵略した悪の勢力
シャドウキャスト:侵略の主導者
アストロース:イーブルサイドの皇帝
エリエル:ブレッシングの伝説的な英雄
チャーリス:ブレッシングの若者
アザーワールド:イーブルサイドの犠牲になった者たちが送られる世界
この曲はMagicaのイントロにあたる2つのインスト曲のあと、いわば本編の第1曲目に当たります。
I love the night
So many shadows
Unholy light
Putting out the spark
Leave them in the dark
Forever
私は夜を愛する
多くの影を
聖ならざる光
火花を吹き
彼らを闇に取り残す
永遠に
闇への親和性が出てきているので、おそらくこのLord of the Lasy Dayは、惑星「ブレッシング」に攻め込んだ悪の勢力・イーブルサイドの主要人物が、ブレッシング側の主人公格であるエリエルに向かって言っている言葉と思われます。
ただ地獄の皇帝アストロースは本編にほとんど名前しか出てこないので、おそらくシャドウキャストじゃないでしょうかねぇ・・・。
「火花」と出ているのは、イーブルサイドに捕らえられた人々がアザ―ワールドで処刑される際の記述から来ています。炉の中で青い火花となって散っていった云々、と書いてあるので。
I can wait for you
Your end is my life
All lies are true
Secrets of the heart
You can take them all
To heaven
お前を待ってもいい
お前の終焉が私の命
全ての嘘は真実
心の秘密
お前は奴らをみな
天国へ連れていくことができる
シャドウキャストとエリエルはいわば相反する存在なわけで、いずれどちらかが滅ぶしかありません。それで「お前の終焉が私の命」ということになります。
そしてエリエル(ひいてはブレッシング)の側にとっての嘘はイーブルサイドにとって真実であり、エリエルにとっての真実はイーブルサイドにとって嘘となります。
ミルトンの『失楽園』でも、サタンが「私にはすべての善が悪になってしまった」と言っています。
「奴らをみな天国へ連れていくことができる」とは、お前と一緒に戦ったものなら天国に行けるだろう、という皮肉なのかもしれません。もしくは、エリエルが抵抗すればするほどブレッシングの人々が犠牲になるという脅し?
I don't feel pain or sorrow
The child's a man tomorrow
Crossing the line, then he's mine
Don't care which god you follow
Whose promises you swallow
Time and again, we must meet at the end
私は痛みも嘆きもない
あの子供は明日には大人になる
境界線を越え、そうすれば彼は私のもの
どの神についていくかなど気にするな
どいつの契約を飲み込むかなど
我々は出会う運命、何度も――そして終わりの時に
The childはチャーリスのことでしょう。ブレッシングの捕虜の抵抗勢力の1人になった17歳の若者です。
チャーリスが戦うことを決意したら、それはシャドウキャストのターゲットになるわけで。
しかし自分のものになると断言するとはシャドウキャスト、えらい自信ですね。
あと、悪の信奉者であるはずのシャドウキャストが、何を信じるかについて達観したようなことを言っているのが意外でした。
まるでブレッシングもイーブルサイドも、大きな運命の一部でしかないかのようです。
It's all right
When the music is over
Come on and dance
For the lord of the last day
問題はない
音楽が終わるとき
来て踊るがいい
終焉の日の支配者のために
「音楽」はブレッシングで起こった戦いの比喩。この部分は全体的に、いかにも悪の支配者という感じがします。
lordは神という意味もあるのですが、シャドウキャストがそれを言うのも妙な感じなので、何者か分からない支配者ととりました。
それにしても、果たして彼は、本当にその支配者が自分たちだと思っているのでしょうか。
I love the night
So many shadows
Unholy light
Secrets of the heart
Leave them in the dark
Forever
私は夜を愛する
多くの影を
聖ならざる光
心の秘密
彼らを闇に取り残す
永遠に
ここは最初の部分とほぼ同じ。
Magicaはコンセプトアルバムとしては未完成の三部作の第1作であり、この段階では闇の部分をメインに据えています。
そのせいかサバス的なヘヴィネスも色濃い作風となったのですが、Lord of the Last Dayを聴いてみると単にダークなだけの曲ではないんですよね。
I don't feel pain and sorrowからfor the lord of the last dayにかけての部分など、音としてはRainbow時代のような鮮やかさを感じませんか?
内容的にも、(おそらくは)悪の側の支配者であるシャドウキャストの語りでありつつ、必ずしも闇に陶酔している感じでもなく、ロニー自身の光と闇への認識を反映しているようでもあります。
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