One More for the Road (DIO)


いつも来てくださってありがとうございます!管理人です。
只今、本ブログは来年の後期DIO再発に合わせて、後期のアルバム4枚からの曲を特集しております。

後期のアルバムとはAngry Machines、Magica、Killing the Dragon、Master of the Moonの4枚。
今回はラストアルバムのMaster of the Moonより、冒頭の1曲をお届けいたしましょう。
One More for the Road by DIO
※翻訳は管理人によるものです
Never been here before
But I'm coming back tomorrow
For the real pain, a cold rain again
ここには来たことがない
でも明日には戻ってくる
真実の痛みのためさ 氷雨がまた降る
Nice day for a crucifixion
Heard a new prediction
That we can all be saved, so I'll have
磔刑にいい日だ
新しい予測を聞いた
我々はみな救われるのだと だから
One more for the road
Play it again
One more for the road
あの道にもう一歩
またやろうぜ
あの道にもう一歩
Never heard this before
That a child can tell who's evil
But it's a good thing if we sing along
これは聞いたことがない
ある子どもが、誰が邪悪か分かると
だが一緒に歌うならいい話だ
Cold day, we can make a fire
Burn another liar
Can witches ever die?
Hey, let's burn
寒い日だ、火を起こそう
別の嘘つきを焼くのさ
魔女たちは死んだことがあったか?
そうだ、燃やそう
One more for the road
Give me the same again
One more for the road
あの道までもう一歩
俺もまた行かせてくれ
あの道までもう一歩
Well, I've never been here before
And the room is really empty
But there's a big line
Waiting for the show
ここには来たことがない
部屋は見事にからっぽ
でも大きな列が
ショーを待っている
Nice day for an execution
Another wrong conclusion
But someone's got to pay
So let's burn
執行にちょうどいい日だ
別の間違った結論
でも誰かが支払うんだ
だから燃やそう
One more for the road
Play it again
One more for the road
あの道までもう一歩
またやろうぜ
あの道までもう一歩
There's a child who just sees evil
And a man who just loves pain
But I've heard that we can't save them
So give me the same again
There's a cross that you can't carry
Cause it's heavier than Hell
And if you should meet your maker
Just pray that he won't yell
邪悪だけ見る子がいる
苦痛だけ愛する男がいる
でも彼らを救えないと聞いた
だから俺も同じにしてくれ
運べない十字架がある
地獄より重いからだ
そして創造者と会わなければならないのなら
彼が決して叫ばないよう祈れ
One more for the road
One more for the road
Play it again
One more for the road
あの道までもう一歩
あの道までもう一歩
またやろうぜ
あの道までもう一歩
この曲についてロニーが語ったところによると、一見前向きな曲のようですが実際には処刑を歌ったものだそうです。
「何も罪を犯していないのに監獄で薬物の注入や電気椅子や絞首刑によって処刑された人たちのことを歌っている」
「クールな生き方をしているなら、最後にさらに苦痛を味わうのではないかと心配する必要はない」
とのこと。(出典:『情念のロック・シンガー ロニー・ジェイムズ・ディオ』シンコーミュージック・エンタテイメント)
そう考えると、
Never been here before
But I'm coming back tomorrow
For the real pain, a cold rain again
ここには来たことがない
でも明日には戻ってくる
真実の痛みのためさ 氷雨がまた降る
Nice day for a crucifixion
Heard a new prediction
That we can all be saved, so I'll have
磔刑にいい日だ
新しい予測を聞いた
我々はみな救われるのだと だから
このように歌われるこの曲は、処刑される男自身によって語られているのかもしれません。
その可能性はけっこう高いと思います。
crucifixionとか、この後にはそのままexecutionという言葉が出てきますし、次の「Never been here before」=ここには来たことがない、がどうにもキーワードな気がしてならない。
死刑の場所に当事者として来ることは一生に一度しかないですから。
あと、for the real pain=真実の痛みのために、とか。
しかしここには悲壮感がぜんぜんないですね。
自分が救われることを最初から確信しているし、nice day for a crucifixionと言ってしまうところとか。
One more for the road
Play it again
One more for the road
あの道にもう一歩
またやろうぜ
あの道にもう一歩
the road=あの道とはどんな道なのでしょう?
キリスト教圏であまり一般的ではないですが、生まれ変わりの道かもしれません。
もしくは、人が本来いるべき永遠の生命の道。そこでは真実がまかりとおるはずです。
Never heard this before
That a child can tell who's evil
But it's a good thing if we sing along
これは聞いたことがない
ある子どもが、誰が邪悪か分かると
だが一緒に歌うならいい話だ
Cold day, we can make a fire
Burn another liar
Can witches ever die?
Hey, let's burn
寒い日だ、火を起こそう
別の嘘つきを焼くのさ
魔女たちは死んだことがあったか?
そうだ、燃やそう
子どもが大人を告発して大ごとになる話はありそうですね。
無垢な子どもに罪なし、という前提を立ててしまったせいで、罪人というほどでもない大人が大変な目にあってしまう。
セーラムの魔女裁判や、湾岸戦争を起こしたナイラ証言などがすぐに思い浮かびます。
でもそういう流れに自分も乗っかってしまえば被害に遭わない。だから「good thing」と。
次の部分はそうやって悪乗りする人の心理を表しているようです。
One more for the road
Give me the same again
One more for the road
あの道までもう一歩
俺もまた行かせてくれ
あの道までもう一歩
「again」ということは前にもあったのでしょうね。
このサビの部分は、処刑されてこの世から転位する者が真実の道を求めていると管理人は見ます。
Well, I've never been here before
And the room is really empty
But there's a big line
Waiting for the show
ここには来たことがない
部屋は見事にからっぽ
でも大きな列が
ショーを待っている
Nice day for an execution
Another wrong conclusion
But someone's got to pay
So let's burn
執行にちょうどいい日だ
別の間違った結論
でも誰かが支払うんだ
だから燃やそう
かつて処刑見物が人々の娯楽だったことから「ショーを待っている」となったのでしょう。
しかし、現代でも一つの正義が世論を席巻してしまうとき、それに疑問を呈する人や反対する人が一斉にバッシングされたりしますよね。そんな現象も「ショー」と呼んでいると思います。
someone's got to payは、世の中の不満を一時的に取り除くためのスケープゴート的な処罰のことかもしれません。
There's a child who just sees evil
And a man who just loves pain
But I've heard that we can't save them
So give me the same again
There's a cross that you can't carry
Cause it's heavier than Hell
And if you should meet your maker
Just pray that he won't yell
邪悪だけ見る子どもがいる
苦痛だけ愛する男がいる
でも彼らを救えないと聞いた
だから俺も同じにしてくれ
運べない十字架がある
地獄より重いからだ
そして創造者と会わなければならないのなら
彼が決して叫ばないよう祈れ
サビの部分は繰り返しなので省略して、この部分を。
a childは、先ほどの大人を告発する存在。
a manは人の処罰を喜ぶ人。
So give me the same again=だから俺も同じにしてくれ、とは「今まで処刑されてきた人々と同じにしてくれ、その方がまだいい」という意味でしょうか。
運べない十字架の重さとは、間違った「正義」の罪深さに思えます。
創造者=神はそんな身勝手な「正義」をも断罪する。だから、神が(断罪の言葉を)叫ばないように祈れと言っているのでしょう。
処刑の歌というとIron MaidenのHallowed be thy Nameが高名ですが、あの曲と比較してみるとOne More for the Roadは対照的です。
Hallowed~が曲全体で強烈に悲壮感を表しているのとは対照的に、One More~にはすでにこの世を見限って高みから笑っているような余裕があるからです。(もちろん曲の優劣ではなく、ただタイプとしての違いです)
後ろめたさのある人間とない人間との違いなのでしょうか。
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うわ~・・・・
Re: うわ~・・・・
ご存知かもしれませんけど、ロニーはアメリカ国籍ながらイタリア系です。音楽面ではオペラに影響を受けていますが、同時にイタリア系居住区で生まれ育ったため、生まれに起因する体験もいろいろあったらしいです。有名なハンドサインも、変な目で見てくる人に対して彼のおばあちゃんがやっていたものだそうで。
思うに、人間というものをずいぶんと観察した人じゃないかと思いますね、ロニーは。
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