Killing The Dragon (DIO)


ども!後期DIO4枚がリマスター&ボーナス付きで再発になると聞いてハイになっている管理人です。
今回は2002年のアルバム、Killing the Dragonのタイトル・トラックを特集いたします。

ギターのダグ・アルドリッチ(右)と。
Killing the Dragon by DIO
※翻訳は管理人によるものです
Silence, we hunt for the queen
Sign of the cross
And pray in-between
Look by the light of the day
She's hiding till dark
Waiting to play hey-hey
静かに!我らは女王を探す
十字の印
間にはさまれて祈れ
昼の光で見ると
彼女は暗くなるまで隠れていて
遊戯の時を待っている
Something's taken a child
And it all must end
Time to be killing the dragon again
何かが子どもを連れ去った
終らせなければ
また翼竜を殺すときだ
Silence, we'll hunt for the lord
He takes crimson and gold
Gave ice to the cold
To be never afraid of wolves at the door
Howling for more
静かに!我らは支配者を探す
彼は深紅と金を奪い
寒さに氷を与える
戸口にいて、より多くを求め吠える狼を
二度と恐れないため
More's been empty for years
And it all must end
Time to be killing the dragon again
もっと長い間からっぽだった
終らせなければ
また翼竜を殺すときだ
Kneel and behold your new king
Digital dreams and
Wonderful things to tease you
跪いて見よ、お前の新たな王を
デジタルの夢と
お前をからかう素晴らしいものたち
Small Gods with electrical hearts
And it all will end
Time to be killing the dragon
電気の心臓を持った小さな神たち
すべて終わるだろう
また翼竜を殺すときだ
この曲についてロニー自身が語ったところによると、「ドラゴンとは、不当な扱いを受けた時に人々が取る行動の比喩であり、人々が立ち上がって何かに反抗し、状況を良い方向に変えることになる行為の象徴」だそうです。(出典:『情念のロック・シンガー ロニー・ジェイムズ・ディオ』シンコーミュージック・エンタテイメント)
ただ管理人は、ドラゴンとは過剰に発達したテクノロジーのことであり、それに対する警告の歌だという説も聞いたことがあります。
そう言われてみれば確かに、後半にそのような内容と思える部分がありますね。
Kneel and behold your new king
Digital dreams and
Wonderful things to tease you
跪いて見よ、お前の新たな王を
デジタルの夢と
お前をからかう素晴らしいものたち
Small Gods with electrical hearts
And it all will end
Time to be killing the dragon
電気の心臓を持った小さな神たち
すべて終わるだろう
また翼竜を殺すときだ
この部分です。
「新たな王」「小さな神たち」とはコンピューター時代の新たな価値観などでしょう。
たとえば、人としての素顔は見えないのにネット上でカリスマ的な世論を作り出す人がいますね。
あるいは今、AIに重大な判断をゆだねたり、人の仕事が奪われたりするという話が盛んに出てきます。
また、ネット上の勢いで容易に炎上などが起こり、知らない間にその中に巻き込まれていたりします。
そのような存在やネットに起こる渦は、ロニーがここで言う「新たな王」「小さな神」と呼ぶことができるのではないでしょうか。
同じテーマはBlack Sabbath時代の曲「Computer God」でも出てきていました。
このブログではまだ特集していませんが、いずれ取り上げるつもりです。
いきなりラストの方から書いてしまいました。冒頭に戻りましょう。
Silence, we hunt for the queen
Sign of the cross
And pray in-between
Look by the light of the day
She's hiding till dark
Waiting to play hey-hey
静かに!我らは女王を探す
十字の印
間にはさまれて祈れ
昼の光で見ると
彼女は暗くなるまで隠れていて
遊戯の時を待っている
Something's taken a child
And it all must end
Time to be killing the dragon again
何かが子どもを連れ去った
終らせなければ
また翼竜を殺すときだ
この部分は古典的な物語のようですね。女王とか、十字の印とか、連れ去られた子どもたちとか。
しかし、翼竜を殺すことがロニーの言う通り「人々が何かに対して立ち上がること」だとすれば比喩表現となります。翼竜がコンピューターだとしても同様です。子どものネット中毒とか、よくニュースで出てきますね。それが「連れ去られた」ことなのかもしれません。
十字の印は古いまじないで、電脳世界とは対照的な生の人間の祈りでしょう。
Silence, we'll hunt for the lord
He takes crimson and gold
Gave ice to the cold
To be never afraid of wolves at the door
Howling for more
静かに!我らは支配者を探す
彼は深紅と金を奪い
寒さに氷を与える
戸口にいて、より多くを求め吠える狼を
二度と恐れないため
More's been empty for years
And it all must end
Time to be killing the dragon again
もっと長い間からっぽだった
終らせなければ
また翼竜を殺すときだ
女王とか支配者とか、崇拝や信仰の対象となるモチーフが続きますね。
lordには支配者や主人のほか、封建時代の領主、the Lordになると神、our Lordでキリストという意味があります。
深紅と金はどちらも地上の富のことでしょう。また、cardinal=深紅はキリスト教の司教の服に使う色なので、聖職者から実権を奪って自分のものとするという意味も考えられます。
takeはかなりたくさんの意味があるのですが、後に出てくるgiveとの対照で一応、奪うとしました。
しかし深紅と金を奪い、さらに、寒いところに氷を与えるとは慈悲ある支配者ではありませんね。
そして「長い間からっぽだった」との言葉。
テクノロジーに支配されなくても、それ以前から人間は空虚なものを信奉してきたということでしょうか。
前の聯に出てきた女王もなかなか得体のしれない存在でした。(「暗くなるまで隠れている」など。)
そして、最後に出てくるのが「新しい王」。
何か、単にテクノロジー時代への警鐘という歌ではないような気がしてきました。
現代が崇拝すべきでないもの/魂を預けるべきではないものを崇拝しているのだとしても、では過去はどうだったのか。
本当は、人間はいつだって崇拝する値打ちもないものを崇拝してきたのではないか。そんなきわどいメッセージが管理人には見えてきます。
killing the dragonのあとにagainがついているわけですし。
そう考えると、「女王を探す」「支配者を探す」とはすがりつくために探しているのではなく、倒すために探していることになりそうです。
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tag : ロニー・ジェイムス・ディオヘヴィメタルハードロックDIOスコット・ウォーレンサイモン・ライトジミー・ベインダグ・アルドリッチ
ロニー後期の歌唱
Re: ロニー後期の歌唱
DIO後期4作が再発になったニュースがすでに懐かしい・・・発売当時よりも売れたという知らせもあり、今でも喜んでいます。
ロニーも時代とともに歌い方が変わっているんですよね。やはり90年代の音楽性がのちのちまで影響したのかも。Killing the Dragonは後期作品の中では一番80年代の作風に近いだけに、おんふぁいあーさんのご指摘は大変興味深いと思います。
おひさしぶりです。
キリング座ドラゴンを聞いてどうしても一言書きたくてこちらへ
たづねさせてもらいました。
ブラックサバス再結集直前のルックアップトウウォルブス。
こちらで紹介していただいてかなり好きなわけですが、このオオカミのアルバムを聴いてからキリング座ドラゴンを聴くと約10年間時空が開いているわけですが体感20年ぐらいあるような気がします。逆に言うとたった12年ぐらいしかあいていないのに。
ターイム トウ ビキーリングザ ドゥオラゴンヌ アゲ~
これでもかという粘り歌唱。もはや英語ではなくてドイツ語かロシア語のように聞こえてしまいますw
ロニー晩年のドラゴン歌唱がたまりません。