Neon Knights (Black Sabath)
ロニーの遺した曲から1曲だけ特集するシリーズ、今回もリクエストにお応えします

Black Sabbath時代の曲Neon Knights(邦題・ネオンの騎士)!!
サバス初参加アルバム「Heaven and Hell」の冒頭を飾る1曲で、2007年のベスト盤「THE DIO YEARS」でもこの曲が最初でした。
ところがサバスの歴史を語るDVD「Black Sabbath Band History vol.2」のロニーの言葉によると、どうやらこれが最後に作られた曲とのことで。
なかなか分からないものですね。

Neon Knights by Black Sabath
※翻訳は管理人によるものです
Oh no, here it comes again
Can't remember when we came so close to love before
Hold on, good things never last
Nothing's in the past, it always seems to come again
Again and again, again and again, and again
何てことだ、またやってくる
こんなに愛に近づいたことがあっただろうか
待て、良いことは続かない
かつてこんなことはなかった、いつだってまた来るようだ
繰り返し、繰り返し、繰り返し
Cry out to legions of the brave
Time again to save us from the jackals of the street
Ride out, protectors of the realm
Captain's at the helm, sail across the sea of lights
勇士の軍団に叫べ
通りの禽獣から我々を助ける時だと
奴らを撃退せよ、王国の守護者たち
支配者が光る海を越えてくる
Circles and rings, dragons and kings
Weaving a charm and a spell
Blessed by the night, holy and bright
Called by the toll of the bell
Bloodied angels fast descending
Moving on a never-bending light
Phantom figures free forever
Out of shadows, shining ever-bright
円陣と指輪、翼竜と王
護符と呪文を繰っている
夜に祝福され、神聖に輝き
鐘の音に呼ばれている
血まみれの天使は急降下し
決して消えない光の上に進む
幻影たちは永遠に自由
闇から飛び出て常に輝く
Neon Knights!
Neon Knights!
All right!
ネオンの騎士!
ネオンの騎士!
よし行け!
Cry out to legions of the brave
Time again to save us from the jackals of the street
Ride out, protectors of the realm
Captain's at the helm, sail across the sea of lights
Again and again, again and again, and again
勇猛なる軍団に叫べ
通りの禽獣から我々を助ける時だ
奴らを撃退せよ、王国の守護者たち
支配者が光る海を越えてくる
繰り返し、繰り返し、繰り返し
Neon Knights!
Neon Knights!
Neon Knights!
All right!
ネオンの騎士!
ネオンの騎士!
よし行け!
Neon Knightsについて、ロニーはこう言っています:
「僕らは低級な(=neon)時代に生きているけど、それでも騎士道精神を忘れてはいけないと思ったからなんだ。」
(出典はベスト盤「Black Sabbath THE DIO YEARS」のブックレット)
ギラギラしたネオンの光と中世の騎士は対照的な存在ですが、ネオンの中でこそ輝く騎士たちもいる。そんなテーマが見えてきます。
Oh no, here it comes again
Can't remember when we came so close to love before
Hold on, good things never last
Nothing's in the past, it always seems to come again
Again and again, again and again, and again
何てことだ、またやってくる
こんなに愛に近づいたことがあっただろうか
待て、良いことは続かない
かつてこんなことはなかった、いつだってまた来るようだ
繰り返し、繰り返し、繰り返し
この世界は物事の繰り返しでできている――という世界観はHeaven and Hellにも出てきました。("It goes and on and on, it’s heaven and hell"。詳しくはこちらの記事をご覧ください)
ここに出てくるのはポジティブな事象が「またやってきた」場面のようです。良いことは続かない、あるいはそれまでの繰り返しだ、と言っていても、抑えきれない高揚感があふれています。
いきなり「愛」というフレーズが出てきてとまどってしまいましたが、ちょっとこの部分はロニーがサバスに加入した時の高揚感を連想しました。
Cry out to legions of the brave
Time again to save us from the jackals of the street
Ride out, protectors of the realm
Captain's at the helm, sail across the sea of lights
勇士の軍団に叫べ
通りの禽獣から我々を助ける時だと
奴らを撃退せよ、王国の守護者たち
支配者が光る海を越えてくる
ここは神話的イメージのオンパレードですね。
jackalは禽獣と訳しましたが、動物のジャッカルは「頼まれて悪事を働く者」の意味があるそうです。
海を越えてくる支配者は新しい王なのでしょう。今までこの世界を支配していた者があまり歓迎されていなかったと考えられます。
Circles and rings, dragons and kings
Weaving a charm and a spell
Blessed by the night, holy and bright
Called by the toll of the bell
Bloodied angels fast descending
Moving on a never-bending light
Phantom figures free forever
Out of shadows, shining ever-bright
円陣と指輪、翼竜と王
護符と呪文を繰っている
夜に祝福され、神聖に輝き
鐘の音に呼ばれている
血まみれの天使は急降下し
決して消えない光の上に進む
幻影たちは永遠に自由
闇から飛び出て常に輝く
ここもまたファンタジックなイメージが溢れていますね。
出てきたモチーフを見てみると、聖なるものも邪悪なものも入り乱れており、さらに互いの領域も混然一体となっています。
指輪は神話に出てくるような魔法の指輪でしょうか。これは良いことも悪いことも起こしそうです。
翼竜・夜・幻影はネガティブなもの・邪悪なものの部類。
護符や呪文もキリスト教に基づくものではないので、原理主義的に考えればあまりいいものではありません(今でも厳格な宗派では占いのたぐい一切禁止のところもあります)。
ところがそれらはholy and bright=神聖に輝いているのです。
さらに、鐘は教会の鐘のほかに考えられません。
原罪に汚れていないがために苦痛を知らないはずの天使は血にまみれており、ところがそれは光の上にいます。
phantomは妖怪という意味もあり、これまた光の世界とは対照的。それも闇の領域から出て輝き始めます。
いったい、これらのイメージは何なのでしょう?
Neon Knights!
Neon Knights!
All right!
ネオンの騎士!
ネオンの騎士!
よし行け!
とりあえずネオンの騎士と訳しましたが、「ネオン」はロニーのインタビューによれば現代社会そのものの意味のようです。DIO Yearsの訳詞では「俗世の騎士」となっていました。
後の部分は繰り返しなので省略するとして。
・・・
この曲をいったいどう見ましょう?
中間部分の、聖なるものと邪悪なものがそろって乱舞するイメージがなかなか絢爛たるものになっていますが。
管理人は、この部分こそ現代のメタファーなのではないかと考えます。
現代はかつての騎士道時代のように、正義と悪、聖なるものと邪悪なものがはっきりと分かれてはいません。
正義だと思っていたものが実はそうでなかったり、その逆もあります。
しかし、そんな混沌とした世界においても普遍的な人の道――というか、人としてあるべき道というものはあるのではないか。
だからこそ我々は「ネオンの騎士」になるべきなのだと。
それがこの曲のメッセージである気がします。
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