Gates of Babylon (Rainbow)
そこで今回は、ご要望が多かったGates of Babylonです!
Rainbow時代のアルバム3作中、最後の1枚となった「Long Live Rock'n' Roll」より。
アルバムレビューはこちらのページをご覧ください。
自分で作った索引にめっちゃ助けられてるわ・・・

Gated of Babylonの頃のRainbow。ロニーは一番奥。
日本では特に有名な曲ではないでしょうか。全体に中東風のエキゾチックな音で、リッチー・ブラックモアのギターソロが鳥肌の立つくらい冴えわたっています。
Gates of Babylon by Rainbow
※翻訳は管理人によるものです
Look away from the sea
I can take you anywhere
Spend a vision with me
A chase with the wind
海から目を離し
お前をどこにでも連れていける
私とともに目を凝らせ
風とともに走ろう
Move closer to me
I can make you anyone
I think you're ready to see
The gates of Babylon
もっと近くにおいで
お前を誰にでも変えてやれる
もうバビロンの門を見る準備は
できているようだね
The power of what has been before
Rises to trap you within
A magic carpet ride a genie maybe more
A city of heavenly sin
Sleep with the devil and then you must pay
Sleep with the devil and the devil will take you away
Oh gates of Babylon
前からあった力が
お前を罠にかけるために立ち上がる
魔法の絨毯が、もっと精霊を乗せてくる
天国のような罪の都へ
悪魔と寝れば代償を払わなくては
悪魔と寝れば悪魔に連れ去られる
バビロンの門よ
You can see but you're blind
Someone turned the sun around
But you can see in your mind
The gates of Babylon
見えていてもお前は盲目
誰かが太陽を回したのだ
でもお前は心の中に
バビロンの門が見える
You're riding the endless caravan
Bonded and sold as a slave
A sabre dance removing all the veils
Getting as good as you gave
Sleep with the devil and then you must pay
Sleep with the devil and the devil will take you away
お前は終わりなきキャラバンにいて
枷につながれ奴隷として売られる
サーベルの踊りがすべてのベールをはがし
お前が与えたぐらいいいものになるぞ
悪魔と寝たら代償を払わねば
悪魔と寝たら悪魔に連れ去られる
Look away from the sea
I can take you anywhere
Spend a vision with me
A chase with the wind
海から目を離せば
お前をどこにでも連れていける
私とともに目を凝らせ
風とともに走ろう
Move closer to me
I can make you anyone
I think you're ready to see
The gates of Babylon
もっと近くにおいで
お前を誰にでも変えてやれる
もうバビロンの門を見る準備は
できているようだね
The power of what has been before
Rises to trap you within
A magic carpet ride a genie maybe more
A city of heavenly sin
Sleep with the devil and then you must pay
Sleep with the devil and the devil will take you away
Black gates of Babylon
前からあった力が
お前を罠にかけるために立ち上がる
魔法の絨毯が、もっと精霊を乗せてくる
天国のような罪の都へ
悪魔と寝れば代償を払わなくては
悪魔と寝れば悪魔に連れ去られる
バビロンの黒い門
The devil is me
And I'm holding the key
To the gates of sweet hell
Babylon
悪魔は私
鍵を持っている
甘美な地獄バビロンへの鍵を
バビロンとは旧約聖書に出てくる王国・バビロニアの首都で、神によって滅ぼされたソドムとゴモラとともに悪徳と退廃の代名詞となっている名前です。
「バベルの塔」があったのもバビロンだそうです。
つまりこの曲は、全体で「悪徳の都へ誘いかける言葉」なのです。
Look away from the sea
I can take you anywhere
Spend a vision with me
A chase with the wind
海から目を離し
お前をどこにでも連れていける
私とともに目を凝らせ
風とともに走ろう
1行目の「Look away from the sea」が実のところよく分かりませんが、この部分では「空を飛んでどこかに行く」イメージが打ち出されているようです。
Move closer to me
I can make you anyone
I think you're ready to see
The gates of Babylon
もっと近くにおいで
お前を誰にでも変えてやれる
もうバビロンの門を見る準備は
できているようだね
はい来ました。
バビロンの門。
最初に書いたようにバビロンは悪徳の都です。
その門を見るとは、自分もその中に入ろうとすること。
語り手が聞き手に向かって「I can make you anyone」と言っているように、それまでの自分から悪の世界に入ろうという場面です。
The power of what has been before
Rises to trap you within
A magic carpet ride a genie maybe more
A city of heavenly sin
Oh gates of Babylon
前からあった力が
お前を罠にかけるために立ち上がる
魔法の絨毯が、もっと精霊を乗せてくる
天国のような罪の都へ
悪魔と寝れば代償を払わなくては
悪魔と寝れば悪魔に連れ去られる
バビロンの門よ
「The power」はやっぱり悪魔の力でしょうかね。
人間を神から離すためにずっと狙っているので。
genieは童話に出てくる精霊の意味で、イスラム教のジンのことでもあります。
ジンはいろいろな生き物に姿を変える人外の存在で、良いものも悪いものもいます。
といってもここではバビロンがテーマなので悪い方でしょうね。
あと、ここでいきなり道徳的、というか善を勧めるようなメッセージが出てきたのが特徴的です。
Sleep with the devil and then you must pay
Sleep with the devil and the devil will take you away
の部分。
ロニーはときどきこういう"立場の入れ子構造"というか、言いそうもない人に言いそうもない言葉をしゃべらせたりするから面白い。
「Don't Talk to Strangers」でも悪魔が道を説くような部分がありました。
You can see but you're blind
Someone turned the sun around
But you can see in your mind
The gates of Babylon
見えていてもお前は盲目
誰かが太陽を回したのだ
でもお前は心の中に
バビロンの門が見える
これは・・・理性が麻痺しているということでしょうか?
「盲目」とは肉体的なもの以上に心理的な状態の比喩が多いようで。
(聖書にも「盲人の手引き」なるたとえ話があります。盲人が盲人の案内をすれば2人とも穴に落ちる。すなわち、信仰のない者が同じように信仰のない者を案内すれば、どちらも道を誤るという話です。)
バビロンが悪の象徴である以上、心の中にその門が見えているとはあまり良いものではありませんね。見るべきものは見えていないが、見なくていいものは見えてしまっている。そんな状態のようです。
You're riding the endless caravan
Bonded and sold as a slave
A sabre dance removing all the veils
Getting as good as you gave
Sleep with the devil and then you must pay
Sleep with the devil and the devil will take you away
お前は終わりなきキャラバンにいて
枷につながれ奴隷として売られる
サーベルの踊りがすべてのベールをはがし
お前が与えたぐらいいいものになるぞ
悪魔と寝たら代償を払わねば
悪魔と寝たら悪魔に連れ去られる
はい、また来ました。ロニーの歌によくある"言いそうもない人が言う"パターン。
バビロンの門をくぐればどうなるか。それをバビロンへ誘っていたはずの語り手が明かします。
sabreはsaberの英語つづりで、中東の武器として有名なあのサーベルですね。
veilsはベリーダンスなんかによくついていそうなベールを連想しますが、バビロンに抱いていた甘い期待の比喩でもあるでしょう。
で、途中で「Black gates of Babylon」というフレーズが出てきて、バビロンの持つネガティブな性質がはっきり出てきて・・・
そして最後、この部分がなかなか恐ろしいオチというかどんでん返しになっています。
The devil is me
And I'm holding the key
To the gates of sweet hell
Babylon
悪魔は私
鍵を持っている
甘美な地獄バビロンへの鍵を
語り手が実は悪魔本人でした~という終わり方。
管理人はこの歌を聴いていて、ロニーがこのあとBlack Sabbathに加入するのは必然だったような気もしてきました。
すでに「悪」への視点がRainbow時代に芽生えているからです。
Rainbowといえばロマンチックなおとぎ話、ロニーがまだ闇の世界への嗜好を出す前の世界・・・という印象かもしれませんが、どうしてどうして。
この段階で次の展開を予期させるものはしっかり出てきていたんですね。
Gates of babylon特集、いかがでしたでしょうか。
管理人はこの記事を書きながら、gatesと複数形になっているのがちょい気になりました。
もしかしたら悪徳の都バビロンの入り口は1つではなく、どこにでもたくさんあるのかもしれない――と。
もちろん城壁に門はいくつかあったかもしれませんが。
1日1回クリックで応援お願いいたします


- 関連記事
-
-
Die Young (Black Sabbath) 2019/10/22
-
Gates of Babylon (Rainbow) 2019/10/20
-
Follow the Tears (Heaven&Hell) その2 2019/10/17
-
tag : ロニー・ジェイムス・ディオヘヴィメタルハードロックDIORainbowリッチー・ブラックモアコージー・パウエルデイヴィッド・ストーンボブ・デイズリー